人体の他の関節にくらべて、顎関節は自由な運動ができる構造になっています。

そのお陰で、下顎を自由に動かすことができるのです。その為に人間は2つの恩恵を受けています。その第一は、その為に上下の歯を違う動きで噛み合わせることができるので、私達はいろいろな食べ物をたべることができるのです。肉でも野菜でも豆でも海草でも。そのすべてに下顎の動きが違います。また、第2には、表情、発声などの時、いろいろな感情や考え、思いを表現するときにも、下顎を自由に動かすことができます。口を大きく開けたり、顎を突き出したり、左右にふったり。そのように、人間が他の動物と違う独特の進化をたどっていくに従って顎関節は発達してきました。 非常に新しく、自由度の高い運動器官なのです。しかし、その分きゃしゃにできていることも否定できません。いろいろな負荷によって、簡単に「痛み」や「機能障害」がおこってきます。またその周囲の顎の運動に関わる筋肉にも同様の症状がおこります。それが顎関節症です。

顎関節症の起こっている主な場所は「顎関節」「筋肉」

そのうちの「顎関節」に発症する場合の病因をつぎのようにまとめることができます。

                                          

この式の分母の顎の関節の強さは生まれつきのものが大きく、自分自身ではコントロールしにくいものです。分子部分はほとんど自己管理できるようなものですね。そのうちの「かみ合わせによる顎関節への障害」も以下のようにまとめられます。  

「かみ合わせによる顎関節への障害」= 「悪い噛み合わせの度合い」×「病的にかみあわせる時間」×「病的にかみあわせる強さ」この「病的な」とは食事以外の時、安静時の「かみしめ」「くいしばり」のことです。また、これでいえることは例え200gくらいの力で咬んでいても、1日に10時間咬んでいる場合のエネルギーは、10kg1日に5分かみしめる場合よりも、はるかに大きく、顎の関節や筋肉、歯を支える組織を痛めてしまう原因となります。(この式は1995年に、ある健康相談で説明のため作成したものを少し改変したものです。 顎の関節にかかる噛みしめの力の影響をイメージしやすいようにモデル化したものです)

 

home